2011年9月12日

ショーシャンクの空に

パッケージ


 妻と、その不倫相手を殺した容疑をかけられ、冤罪で終身刑となってしまうアンディ。
 収監されたショーシャンク刑務所内の過酷な現状を思い知らされる出来事がいくつも起こるが、
 次第に囚人仲間とも打ち解けていき、元銀行員のスキルを生かして、刑務官が悩んでいた相続に関する税務処理問題に助言をすることで
 刑務官にも一目置かれるようになり、果ては所長の裏金帳簿まで任せられるようになる。

 しかし、新たに入所してきた囚人・トミーから、驚愕の情報を聞かされる。
 前に居た刑務所に、アンディが殺したということになっている妻とその不倫相手を
「あれは俺が殺したんだ」と言う囚人が居たという……。


 オススメ映画の話題になると、高確率で名が挙がる作品。
「いつか観よう」と思っていたのだが、いざレンタル屋に行くと、いつも変な映画とかサスペンスやミステリーのコーナーばかり見て、
 帰ってきてから「あー、またショーシャンク探すの忘れたー!」と気付くのを繰り返していた。

「気分が落ち込んでいる時、人生に疲れ果てた時、生きることに疑問を感じた時などにオススメ」
「生きる気力をもらった」
「希望を持つって素晴らしい」
 などと絶賛されることが多い作品だが、個人的には、安易に感動はできないと感じた。

 主人公・アンディは刑務所内で様々な変化を起こし、囚人仲間や刑務官、所長にまで一目置かれる人物になるが、
 それができたキッカケが、元銀行員としてのスキルによるものだからだ。

 観終わった後の感動は確かにある。
 が、単純に「よーし、俺も頑張るぞー」という元気の貰い方はできなかった。

 アンディは希望を捨てなかったのではなく、希望を持てるだけの下地があった。
 希望を持つには根拠が必要だ。普通の人は、それがないから絶望する。
 アンディが他の囚人にできないことを元々できたからこそ、そしてフィクションならではの尋常ならざる幸運が重なったからこそ、
 この物語は成立している。もしこれがノンフィクションなら素直に感動できたと思うのだが……。


 この作品はヒューマンドラマの棚に置かれることが多いのだが、手法としてはミステリーに近い。
 無実が晴らされることもなく、刑務所で十数年が過ぎ行く様子を見せつけられるわけだが、
 各所に伏線が仕掛けられており、それが最後で一気に収束する。

 では、結末に至るまでの過程は単なる伏線なのかと言うと、それもまた違う。
 ミステリーにおいて退屈になりがちな中盤戦を、
「刑務所は罪を犯した者を更正させる場所なのか、それとも単に長い時間をかけて死刑より重い罰を与える場所なのか」、
 罪と罰、司法の在り方についての問いかけに使っている。
 この映画はヒューマンドラマであり、社会派であり、それらをブラフに使った秀逸なミステリーでもある。


 人間観察が得意そうな調達屋・レッドも「何を考えているかよく分からない」と評するほどに、
 この映画を観る者もまた、アンディは何を考えながら刑務所での日々を過ごしているのか、分からない。
 無実が晴らされることを信じ続けているようにも見えるし、シーンによっては絶望のどん底に突き落とされているようにも見える。
 最初は希望を持っていたが、紆余曲折あって、もう諦めてしまったようにも見える。

 しかし最後まで観ると、アンディの考えは終始一貫していたということに気付く。
 どんなに環境が変わっても順応し、現状に不満を感じているのなら、それを改善するための策を考える。
 しかし、日々をそれらを考えることだけに費やさず、読書や音楽、労働の後のビールなど、
「今、生きている事そのもの」をちゃんと楽しむことを重要視する。
 そうした小さな積み重ねが、冤罪による終身刑という残酷な現実から正気を保つために必要なことだとでも言うかのように。

 このあたりは、仕事が忙しくて家に居る時間がイコールで僅かな睡眠時間と化していた頃の自分を皮肉られているみたいで、
 ちょっと胃が痛かった。「あの頃のお前の生活は囚人以下だったのだ」と囁かれているようで。


 この作品は1994年の公開当時、アカデミー賞7部門ノミネートまでいきながら、興行的には赤字だったそうだ。
 序盤から重くのしかかるような暗い話なので、広報的には、いわゆる "ツカミ" に失敗したのかもしれない。
 翌年以降にレンタルの開始や口コミで評判が広がり、現在も支持される作品となったようなのだが、
 この経緯は、この映画におけるアンディそのものを表しているようで、ちょっと口の端が歪んでしまう。


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2011年2月22日

フォース・カインド

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 実際にあった事件と、その記録映像を映画内で使用するというノンフィクション風味のフィクション。
 タイトルの『フォース・カインド』とは第四種接近遭遇の意味で、宇宙人による拉致を指す。
 宇宙人とかオーパーツとか、もう大好き。

 精神分析医・タイラー博士は、ここのところ睡眠障害を訴える患者が複数出てきていることに気付く。
 その全員が「夜、フクロウを見た」と証言しており、タイラー博士は催眠療法によって、夜の間に患者の身に何が起こっていたのかを探る……という感じの内容。

 眠っているはずの時間帯に、タイラー博士の絶叫と謎の言語がボイスレコーダーに録音されていて、その言語を解明していったら古代シュメール語であることが判明する辺りなんかは宇宙人大好きっ子には結構たまらないんじゃないかと思うが、肝心の事件が今ひとつ。何かを解決したわけでもなく、結果的に宇宙人の1人勝ち状態なので、不完全燃焼的な後味が残る。「宇宙人って得体が知れなくて怖いよね」で終わっちゃってる。

 このへんの話の弱さは「ノンフィクションを装う」にあたってはリアルで良かったのかもしれないけど、今の時代、フィクションかノンフィクションかなんてすぐバレるわけで。wikiによるとこの作品、映画の宣伝のためにニュース記事の偽造まで行っていたらしく、後でアラスカ記者クラブに2万ドルの和解金を支払ったとか。ア、アホか。その事を報道すんな。いろんな意味で台無しだ。

 以上のことから、いろんな意味で残念な映画に分類されてしまうことになるかなという気がするけど、決して友好的とは言い難い宇宙人の描写と、"姿" を出さない演出、"フクロウを見た気がする" というキーワード、拉致されて何かを埋め込まれたという人たちに催眠療法で無理やり記憶を取り戻させた後の末路などはゾゾッとさせていて上手い。

 でも一番怖いのが、"実際の映像" のほうのタイラー博士役の人の顔。
 劇中では悲惨な目に遭ってる(ことになってる)人で、その壮絶な体験や後の疲弊っぷりを表すためにこういう顔の人を選んだのか……いや、ある程度は特殊メイクだと信じたいけど、西川きよし顔負けの目玉の大きさで、映像のせいで異様に色白に見えて、ホントに怖い。Amazonのページ内に掲載されてるその人の写真にはモザイクがかかってて笑ってしまった。ひどい。これ、ただのインタビュー受けてる時の写真なのに、ショッキング映像みたいに扱われてる。

 映画としてのタイラー博士役はミラ・ジョヴォヴィッチ。
 この人は半裸でベヨネッタみたいな戦いを繰り広げるイメージがあるので、特にセクシーシーンもないこの役は、ひたすら地味だった。「私は、こ、こういう役もできるんだからね!」という、女優としての幅を広げるために受けた仕事なのかもしれないが、観てる側としてはもうミラ・ジョヴォヴィッチの無駄遣いとしか言いようがない。

 もっとこう……宇宙人にさらわれて、宇宙船内でシャツのボタンを引きちぎられて胸が露になるも、悲鳴ひとつあげずにキッと宇宙人を睨みつけ、さらに下も脱がされるも、秀逸なカメラワークで際どい部分だけは見えないハイキックで反撃。宇宙船内の一室にある地球の物コレクション部屋みたいなところから日本刀を奪い、ストップモーション多用して宇宙人を片っ端から真っ二つ。飛び散る緑色の血。「さあ脱出するわよ」と、同じくさらわれてきた相棒の男の拘束を解いてる最中に、

「HEY、ミラ、その……さっきからボクの下半身がキャトルミューティレーションされそうだ……」
「? どういうこと? 奴らに何かされたの?」
「いや、奴らじゃなくてキミだよ……そこにボクの上着があるから、それを着たほうがいいんじゃないかな」
「!(全裸に近い格好だったことに気付いて両手で体を隠しながら) ど、どこを見てたの!」
「どこって……(指で胸を指しながら)キミのUFOと……(下半身を指しながら)エリア51、かな」
「バチーン(平手打ちで暗転)」

 次回作は、そんな感じでお願いします。

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2011年2月21日

ジェイソンX

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近未来。ジェイソンは、とある研究所に拘束されていた。
しかし息の根を止める手段が見つからないという理由で、
そういった技術が生まれる未来まで冷凍保存される予定だったところ、
ジェイソンは拘束されていた鎖を自力で破って脱出。
研究所内の人間を手にかけ始めるが、女科学者・ローアンが冷凍保存装置に放り込み、冷凍保存に成功する。

しかしジェイソンが装置内から突き出した攻撃でローアンも重傷を負い、
装置内の冷気が部屋にも吹き出して、部屋ごと冷凍保存されてしまう。
こうしてジェイソンと負傷したローアンは冷凍されたまま、400年の時が過ぎた……。


 2001年作品。
 知らない間にジェイソンも大変なことになっていたみたいなので借りてみた。

 400年後にサルベージされたジェイソンとローアンは宇宙船に運ばれ、現在の人間たちが住む「第2地球」へ向かうことに。移動中の宇宙船内で冷凍を解いてもらったローアンは「ジェイソンもこの船内に居る」と聞いて真っ青になるが、案の定、冷凍を解かれたジェイソンは鉈を片手に大暴れ開始。船に乗り込んでいた特殊部隊も呆気なく全滅する。

 第一印象は完全に『エイリアン』だこれ……。
 ただでさえ閉鎖空間なんだから、ジェイソン先生の独壇場。もはや単なる餌場。

 一応400年後の未来という設定なのに、武器は普通に銃。
 クルーの女の人の私服も無駄に露出が高く、なんか1980年代の感覚で作られた未来服って感じで、微笑ましい。クルーの1人であるアンドロイドとのバトルシーンは一応見せ場なんだけど、結局は銃火器に頼ってるから、CGを駆使したスゴいバトル映画がありふれている今だと、ちょっと地味か。

 もちろんジェイソンは一度は倒れたと見せかけて復活するんだけど、その際に進化を遂げてて、目は赤く光るわ、身体は強化外骨格になるわ、トレードマークのホッケーマスクも未来チックになって頭にめり込んでるわの絶望感。単なる殺人鬼のはずなのに、ダークヒーロー降臨シーンにしか見えない。やだ、かっこいい……。ただでさえ敵わなくて苦戦してる殺人鬼をパワーアップさせるあたり、もはや完全に主役はジェイソン。宇宙船のクルーは殺陣で斬られる役みたいなもんだよ。

 実際観てて、ここからはジェイソンを応援したくなるくらい。
 元々、金属製の扉くらいなら余裕で貫くパワーを持ってたけど、宇宙船内の隔壁なんかもうベニヤ板程度の意味しかないレベルの破壊力。ここまでやるなら、鉈の形したレーザーブレードとかのほうが面白かったんじゃないか。

「やっぱ倒せないから最後は宇宙空間に放り出すんだろうなー」と思ってたら、ジェイソンは生身で宇宙空間に放り出されても平気だし、最後は大気圏突入までしてくれる。これは感動した。笑い寄りの感動。

 結果的に見るとこれはもうホラーではなく、『エイリアン』とか『プレデター』の類のSFアクション。
『13日の金曜日』は怖くて観たくないけど……という人も、これならイケるんじゃないか。

 最初は「伝統そっちのけでやりたい放題やるバカ映画かなー」と思ってたけど、イチャイチャしてるカップルから狙うし、倒したと見せかけて復活するし、最後も「これで本当に終わったのか……?」みたいなオチだし、大気圏突入した後、流れ星となって落下していった先はクリスタルレイク(初代ジェイソン誕生の地)だし、舞台を宇宙船に変えただけで、ジェイソンイズムは健在。

 なお「13日の金曜日」はwikiによると……

 現在多くの国で用いられているグレゴリオ暦では、1年の間に必ず1日以上、13日の金曜日が現れる(第1日が日曜日である月にある)。グレゴリオ暦の置閏法は400年を周期とし、400年間の日数14万6097日はちょうど2万871 週なので、400年で同じ曜日のパターンが繰り返される。

 との事なので "400年後の近未来" という設定も、ちゃんと意味があったんだなあと感心させられてしまう。

 この作品は『13日の金曜日』シリーズ10作目(だから『X』なのか?)であり、以降、リメイク以外の続編は作られていない。これを最終作として観てもいい作品になっているし、また続編が作られても問題ない終わり方にもなっている。素晴らしい。このデキには、文句なしの拍手喝采を送りたい。家族みんなでお茶の間で観ても楽しめるであろう殺人鬼映画ってスゴい。

「ジェイソンもののゲームって出ないかな~、スプラッターハウス以外で」と思ったが、仮にFPSの敵として出てきたら、撃っても効かないし、ヘッドショットしても何の意味もないし、壁を盾に隠れてたら壁ごと貫かれるしで、全くゲームにならないことに気付いた。

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2011年2月20日

パラノーマル・エンティティ

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 レンタル屋で視界に入ってくる度に「借りたら負けだ……」と見ないフリをしていた作品。
 でもアルバトロス作品と知ったら、借りないわけにはいかないじゃない。

 本家『パラノーマル・アクティビティ』を観ているなら、観る意味ほとんどないんじゃないのってくらいにタイトルからパッケージから設定からネタから、ものすごいパクリ。逆に「ソックリなのでいいから、あれ系のをもう1個観たい」って人にはオススメ。本家と比べると、カップルを母・妹・兄の3人家族に置き換えたくらいで、内容ほとんど一緒。

 アルバトロス作品なので、どうせ妹の部屋に秘密で仕掛けたカメラにモゾモゾと動く妹の布団と謎の呼吸音が記録されてて、どう見てもセルフバーニングなのに兄が怪奇現象だと勘違いして解明に挑むようなバカ映画だろうと思ってたら意外や意外、本家と比べてもそこまで遜色はないくらいのデキ。ただ、エスカレートする超常現象と、それへの対策方法の工夫、先が気になる展開作りという点で、やはり本家のほうが構成は上手い。

 あえてこの映画を観る利点といえば、妹が結構可愛くて、下着姿とオッパイを拝めることだろうか。
 勝手に掛け布団がまくれるという怪奇現象のシーンを「おお、こわいこわい」と見てたら、まくれて見えた妹の寝姿が薄緑のブラとショーツという下着姿で、「ブッ、ここでお色気シーンとかアルバトロスさすがだな……ていうかこんな格好で寝るもんなの?」と、怖いシーンなのに顔がニヤケてしまったり、風呂から聞こえてくる妹の絶叫に駆けつけるシーンでは「妹は何に対して絶叫しているのか?」という恐怖シーンなのに、湯船から見えている妹の上半身……主に乳に目がいって、それどころではなかったり。さすがアルバトロス、プライドなんて微塵もないが、微エロ要素だけは外さない。

 でも普段が度を過ぎたアホ映画ばっか出してるメーカーだけに、普通に観れてしまう本作のような映画を出すと、逆に「何やってんだよ」と思ってしまう。だって、オッパイ見れるシーンが1か所しかないからね。マジで「アルバトロス、体調悪いの?」と心配するレベル。あと、パクる時はタイトルも「パラノーマル」を「アブノーマル」に変えてくれると信じてたのに……と思ってたら、もうあった。パッケージから漂う「これはダメだ」臭がハンパなさすぎて、たとえレンタル屋で見かけても借りるの恥ずかしいぞ、これ。

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2010年10月31日

パラノーマル・アクティビティ

パッケージ


ケイティの周りでは、彼女が少女の頃から不可思議な現象が起こっていた。
彼氏であるミカと一緒に住む生活になった今、それは徐々にエスカレートしてくる。
ミカは半信半疑だったが、次第にひどくなる不可思議な現象を無視することもできず、
毎日の生活をビデオカメラで撮影し、記録していくことにした。

寝る時は寝室にカメラをセットして眠る2人。
そのビデオに映っていたのは……。


 超常現象、オカルト系のホラー。
 こう聞くと怖くもなんともない、ありがちなものに思えるが、「寝てる間の様子を録画したホームビデオ」という形式が怖さを一気にフルスロットル。海外のホラーというと昔からビックリ箱形式で、「いきなりワッと驚かせるのをホラーと言われても……」という感じだったのが、日本ホラーの「ゾッ」とする感覚を入れてきた。

「怖いもの見たさ」という言葉があるが、この作品をグイグイと最後まで見せる力は、まさにそれ。
 だんだんエスカレートしてくる怪奇現象は、従来のパニックホラーの撮り方だと全然怖くなかったと思う。
「2人が寝てる間にカメラがとらえた衝撃映像」という手法が、本当に全てを占めている。

「さすがにもう幽霊とかポルターガイストとか、そういうのを怖がる歳じゃないんだよ。本当に怖いのは人間だし、現実世界の生活こそが最高の恐怖だよ」とか思いながら観てたら、夜中の2時に1人で観始めたのをマジで後悔した。これは怖い。

 ただ、残念なところもある。


 1,毎晩、寝室のドアを開けっ放しで寝ている。

 これは不自然だった。
 こんな怖い思いしてたら絶対閉めるだろうし、してなくても普通、閉めるだろう。
 演出上、開いていたほうが都合が良いのは確かだが、毎回、開閉すれば問題ないし、廊下の電気が点くシーンでも、ドアの上部がガラス窓にでもなっていればOKだったはずだ。


 2,細部の設定が結構あやふや。

 映画『リング』は、ただ怖がらせるだけでなく、世界観や様々な設定の構築が見事で、それらが生み出す説得力が怖さに繋がっていた。だが、この映画における "アレ" は、襲ってくる理由や目的、意志といったものが、説明しようとはしているんだけど今ひとつ詰め切れていない印象を受けた。

 特に「何故、ケイティなのか」「何故、深夜に寝静まってからなのか」「何故、一気にではなく、ちょっとずつエスカレートするのか」といった辺りに明確な理由が欲しかった。『リング』以前のホラーというジャンルは「理不尽上等、怖ければ何でもいい」であり、今も大半のホラーはそうなのだが、せっかくここまで作ったのなら……と、ちょっと惜しい感じがした。


 特に怖いBGMも流さない。
 ただ、そこで発生していた音だけが聴こえることの恐怖。
 作り手は特に驚かさない。
 ただ、画面で起きていることを見た視聴者が「それに気付く」ことの恐怖。


 それだけに、結末の露骨な "驚かし" は蛇足だったように思う。
 あれで白けてしまった人も多いんじゃなかろうか。


 ……と、苦言を呈しつつも、怖くて面白かった。これはカップルで観たら効果抜群だろう。
 しかも結末まで観ずに、わざと終盤で観るのやめるべき。
「今日は怖いから泊まって行って……」っていう流れにもっていきたい人にはマジオススメ。

 ただ、DVDには「稲川淳二と観るパラノーマル・アクティビティ」という、本編を稲川淳二の解説つきで観れるというモードがあるのだが、これはある意味爆笑もの。ムードを大事にしたい人は、これは観ないように。

 冒頭で登場する白い車を見て「日本の車ってのが、なんかこうね、嬉しいですよね~。しかも白ってのがね。明るい色ってのがまた逆に怖いですよね~」と早速マシンガントーク。「いや、まだ、そんな喋りまくるシーンじゃないだろここ……」とか思いながら観てると、途中のちょっと退屈なシーンで、本編と全然関係ない「単なる稲川淳二の怖い話」が始まったりと、やりたい放題。もはや本編が背景と化してて、タチの悪いMAD動画寸前。これは面白い。

 最初は本編に稲川淳二の音声だけをかぶせてある感じだったのが、途中で本編のほうがワイプになって、稲川淳二がスタジオで喋ってるほうが画面にデカデカと出て怖い話始めた時は、さすがに笑った。心なしか、顔を下からライトアップしてるし。怖い話中も画面右下で本編流れっぱなしなのと、稲川淳二はあくまで本編を「観ながら」話をしてるので、自分の話に集中できずに気が散ってるのも分かったりして、どこかホッとしてしまう。

「稲川淳二と観る」と聞くと、怖いものをより一層怖くするようなイメージがあるが、これは完全に逆効果。
 怖かったけど、稲川淳二と一緒にもう一回観たら怖さが中和されて、安心して眠ることができた。

 ありがとう、稲川淳二……。

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2010年9月21日

コールドプレイ

パッケージ


スノーボードを楽しむため、人気のない雪山を訪れた5人の若者たち。
大自然の中でパウダースノーを楽しんでいたが、仲間の1人が足を骨折してしまう。
救助を呼びたくとも周りには人影すらなく、携帯電話も圏外で通じない。
救助を呼ぼうと歩いていると、古びた山荘を見つける。

そこは昔、ホテルとして使用されていたようだが、
火事に見舞われ、今は使用されておらず、誰も居なかった。

彼らは寒さをしのぐべく、ホテルに留まる事にするのだが、
自分たち以外の誰かが住んでいるような気配を感じるようになる。
そして、仲間が1人ずつ消えていくのだった……。


絶対ダメだろうなー」と思いながらも「極寒のサバイバルスリラー!」みたいなアオリ文句に「だまされてみようじゃないか」と借りてみた。
 "吹雪の山荘"に弱いんよ……。


 とにかく怖がらせることが目的の不条理系パニックホラー。
 幽霊などのオカルト系は一切出てこないけど、容赦ない殺人鬼みたいなのが「別にこいつら何も悪いことしてないけど、ここに入って来たからにはとにかく全員殺しますよ」みたいな感じ。

 こう書くと「何のヒネリもない、埋もれて当然のB級映画」に聞こえるし、実際、序盤から中盤にかけての恋愛感情描写シーンの退屈さは結構なものなんだけど、
 後半、残り3人になってから緊迫感が増した。
 純粋に、演出やカメラワーク、俳優・女優の演技力によるものだろう。

「どうもこの山荘おかしい」と分かってから、助けを呼びに下山するため、仲間の1人が吹雪の中に踏み出す辺りは、なんか『かまいたちの夜』を思い出してしまった。

 こういう、吹雪の山荘と殺人鬼を扱ったゲームって、もっとあってもいい気がする。
 リアルタイムに時間流れてて、最初は殺されまくるけど、何周もするうちに殺人鬼の行動パターンが分かってきて、最終的にはノーダメージで先回りして倒せる、とか。
 山荘のあちこちに真相にまつわる情報の断片が落ちてて、それを集める収集要素があったり。
 あー、そういうゲームやりてぇ~。2~3時間でコンプできるくらいのカンタンな作りでもいいから、やりてぇ~。


 最後の最後で、どんでん返しというほどではないけど、とある真相が明らかになる。
「どうせ謎の殺人鬼に殺されまくって、最後の1人は奮闘するけど、勝ったと思ったところで油断して殺されて終わりとかなんだろうなー」と思ってたら、ちゃんと伏線回収しに来て逆に驚いた。
 雪山の殺人鬼モノにしては珍しく、もうちょい練り込んだら良質のミステリーになりそうだったので、「なんか惜しい!」と感じてしまった。

 最後の1人になるまでの各人の殺され方も割と平凡で、上手く抵抗できてない感じ。
 たとえ殺されたとしても、残った仲間に何かしらのヒント残すとか、あと一歩で殺人鬼を倒せたのに……みたいなところまでいってから殺されてほしかった。


 観終わってから気付いたのだが、タイトルの「コールドプレイ」の「プレイ」は「PREY」。
 PLAYではなかった。

 クソ寒いのに女の人が拘束されて裸に近い格好させられて、寒さと恐怖でガタガタ震えながら涙声で「プ、プリーズ……」とか懇願するも、
 殺人鬼にエロいいたぶられかたでもするんじゃないかという期待を胸に借りたわけではないぞ。

 パッケージにも載ってる女の人は劇中では可愛いんだけど、目と目が離れた作りの顔した人なので、知念里奈を思い出してしょうがなかった。
 目と髪の毛黒くしたら完全に知念だよこれ。

 というわけで知念ファン必見。最初に殺されるけど。


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2010年9月19日

富豪熟女殺人事件

パッケージ

 『ビキニ航空』探したけど見つからなかったので他の借りてきたよ。

「ちょいエロサスペンスと思ったら全エロ・ノーサスペンス」を喰らいすぎたので、「今度こそは」と、タイトルがそれっぽいヤツを借りてみた。
 "熟女" は別に射程範囲ではないのだが、"富豪" と来てる。
 少なくとも金絡みのどろどろしたサスペンスを期待できるに違いない。

 開始30秒でいきなり巨乳……いや二次元で言うなら魔乳の域に達している「マジで中に何入ってんスか?」クラスのヌード爆誕。
 洋画では割とよく見るジェットバスみたいな浴槽に浸かりながら「A-ha」と気持ちよさそうにしてたら、さらにもう1人、巨乳女追加でレズり合いスタート。

 この、無駄にダラダラ焦らさないクイックエロスには、コブラでなくとも「ヒューッ!」と口笛を吹きかねないが、
 正直、レズシーンってイッたのかイッてないのかよく分からないまま終わるから男性視聴者的には不完全燃焼なんだよ……。

 そんな感じでモヤモヤしていると、「仕事だからもう行かなくちゃ」「あン、行かないでよ……」と名残惜しそうな素振りをしながら、片方が退場。

 第一レズパート完、か……と思っていると、あからさまに怪しいBGMと共に忍び寄る、謎のハイヒール女。
 気付かない魔乳女。一気に背後から首を絞められ、そのまま浴槽に沈められる!

「サスペンスシーンと思わせといて、どうせさっきの仕事に行ったはずの女がビックリさせるためにクソエロい服着てまたレズりに来たんでしょ? そうはいかねーっつの」と
 完全に毒されてたので、普通に殺人が起きてビックリした。
 いや、そうだよな。これが普通だよな。

 場面変わって、車に乗って山へやって来たカップル。
 車を止めて辺りを見渡し、「地図を貸して」「道に迷ったの? もう、見栄を張ってガソリンスタンドで道を聞かないから……」と割とアリガチックなラブラブカップル紹介シーン。
「急がなくてもいいじゃない。景色を楽しみましょ」と女。
 山の、かなり高い所へ来ているらしく、たしかに絶景。男も「そうだな。景色がいい」

男「こんな自然を前にしていると……」
女「ムラムラする?

 今までが結構普通のシーンだったので思わず「なんでやねん!」とツッこんでしまったが、それに対する男の返しが「俺のトウモロコシ食う?」で、
 またなんでやねんっていうかなんで?
 そして濃厚なキスシーン入ったー! 始まったー! また始まったー! ちょっと見直したらこれだよエロティックサスペンスはよー!

 とか憤慨してたら、いつの間にかピクニックシート敷いて、陽射しの中、ランチスタート(女を食べる的な意味で)。
 クイズのシンキングタイムみたいなリズミカルなBGMに乗せて、淫靡というより、明るい青春エロス開幕。
 ていうか、ただのエンジョイ青姦。「さーて、何をしているところでしょーかっ!」という逸見さんの声が聞こえてきそうな雰囲気の中、シンキングならぬファッキングタイム絶好調。
 心なしか腰の動きが「ズンチャッ、ズンチャッ」ってBGMに合ってきて、個人的にはもう全然エロくないので「どうしよう……」と置いてけぼり状態。

 あのなあ、勃たせるかサスペンスるかどっちかにしてくれよ!
 お前ら、これホラーだったら山に棲む殺人鬼に、いの一番に惨殺されてるところだぞ!

 やることやって、やっと到着したのは山奥の一軒家。
 個人的に「いいねー、山荘いいねー。これは間違いなく殺人起きるよー」と興奮。
 出迎えたのは弁護士で、これから遺産についてのビデオを流すという。
 リビングにはすでに他の関係者(巨乳女4人)が集まっていた。サスペンスぽくなってきた!
 つまり、特に説明はなされてないけど、青姦カップルも遺産相続権利を持つ2人で、他の権利者もここに集められたわけだ。

 弁護士は別室に行き、秘書に「そろそろ始めるぞ。ビデオはどこへやった?」
「ここにあるわよ。でもタダじゃイヤよ」
「参ったな。いくらだい?」
「近くに来て」
「もう隣に居るだろ」→ズンチャッBGM & 濃厚キスシーン。

 また始まったー! しっかりしてくれ弁護士ー! みんなもうリビングで待ってるよー!

 弁護士もコトが終わってスッキリした顔で「それでは、時間です。ビデオを再生します」

 被害者が生前に、自分が死んだ場合の財産分与に関する説明を記録したビデオ。
 食い入るように見る一堂。しかし、条件が提示されていた。
 24時間以内にある謎を解くこと──。
 解けなければ、財産はある施設に寄付するよう、弁護士に頼んである、と。

 なんか急に面白くなってきた!
 しかもビデオの最後に「私は確信しているわ。犯人はこの中に居ると。誰なのか判明することを願ってる」と衝撃発言。

 つまり、被害者はすでに殺される予感がしていて、その予感どおりに殺されたということだ。
 やべぇ、また見直した! すげぇサスペンスっぽい!

 弁護士から全員に渡される封筒。中に書かれている謎はどれも同じ。
 明朝9時から宝探しスタート。今夜一晩じっくり考える余裕がある。

 予想外に面白くなってきたなぁ……と思っていると、男がひとりしか居ないからか、『禁断の血族』ばりに、女が順番に男に迫ってくる。マジ片っ端。
 この映画、エロシーンが何故か全て「ズンチャッ ズンチャッ」とダンスミュージック風味なので、BGMかかったら「あー、始まったよ」と判断可能。
 もう面倒なので以下、ダイジェスト。


~夜に妻が風呂に入ってる間に他の女が接触してくるシーン~

「○○がアヤシイと思うの。だって、あのビデオの最後で○○……」
「なるほど、確かに。アイツを見張るべきだ」
ねぇ、こっちも見張って……」→ズンチャッ ズンチャッ……

~深夜に忠告シーン~

「○○は危険だわ」
「だからと言って君が犯人じゃないという証拠もないだろう?」
(無言でキス)
……これが殺人鬼のキスだと?
……思えないね」→ズンチャッ ズンチャッ……

~翌朝、宝探しシーン~

「そっちはどう?」
「特に何も見つかってないよ。そっちは?」
「昔から謎解きは苦手なの。直感で進むタイプ」
「現実的だな」
そう、これが現実よ(キス)」→ズンチャッ ズンチャッ……

~宝探しシーン・一方その頃、弁護士偏~

「貴方、弁護士でしょ? 何の用?」
「君に情報を教えて、手数料をもらおうかなと」
「何を知ってるの?」
「多分、君が思っている以上に」
「いいわ。教えて」
「何で払うつもりだい?」
……これが頭金よ(キス)」→ズンチャッ ズンチャッ……


 こんな具合でエロ挟んでくるので、マジで誰が犯人か分からないという。ある意味、画期的すぎる。

 しかし『トロピカル殺人事件』や『ミステリアス・サマー』と違って、話の先が気になる状態を上手く維持したままエロを挟んでる感じ。
「この中に犯人が……」と言ってる割には、女はガンガン男にアタックしていくし、男もガンガン喰っていくのがちょっと不自然ではあるけど。
 普通、こういう状況だと、もうちょっと疑心暗鬼にならね?

 しかし昼間→夜→深夜→翌日の朝→昼と、すごい頻度でセクシータイフーン巻き起こってるんで、犯人がどうとかいうより男が衰弱死しないか心配。
 この精力と体力は見習いたい。


 ……そうこうしてるうちに(主に宝探しと称して外でヤッてるうちに。確かにお宝だけど)リミットまで残り10時間。
 一堂は、ビデオを見たリビングルームに戻って来ていた。

 残り時間も少ないことだし、今まで反対していた者も「全員で協力し、発見した宝は山分けする」という案に同意。

女A「で……何かいい案でもあるの?」
男「レンタホの儀式を使う
女B「何それ?
男「ネイティブアメリカンに伝わる儀式だ」
女A「非現実的ね(笑いながら)」
男「上半身脱いで輪になって謎を3回唱えるだけだ(真顔)
女A「何言ってるの? まともじゃないわ
男「これでビーチで失くした車の鍵を見つけた(真顔)

 男クン、やりすぎておかしくなっちゃったのかな?
 普通、こういう会話が来ると「これだから男は……随分スケベな儀式だこと!」とか言われながらバシッと叩かれて「いてっ」とかいう流れだが、
 女の1人が「ここまできたらやってみるだけ(真顔)」とか言い出すから、さあ大変。
 ホントに儀式始めちゃったよオイ!

 しかも謎を3回唱える時、何故かオッパイをプルンプルン揺らすモーションつきで、完全にオッパイが主役のカメラワーク。
 急にバカ映画に成り下がった感に襲われていると、

「oh,ホーリィーシーット!(ウソでしょ!)」
「動いてる!」

「何が?」と思ってたら、女の1人のオッパイが片乳だけピクンピクン動いてる。
見て、向こうを指してる
見に行こう!

 あんまりな展開に「えっ、ちょっ、待っ、えー……?」と思ってたら、速攻で部屋の棚から宝発見。
 男も突然「数百年前にバンコクの娼館から盗まれたというダイヤだ!」と説明的セリフ。

「な、何なのそれ? 今初めて聞い……」と呆気に取られていると、ここで犯人がその素顔を現す。
 なんと犯人は……!

……という話なのだが、具体的に言うとレンタホの儀式から結末までが突然やっつけ仕事なので、すさまじい裏切られ感。
 スタッフロール始まったときは「コラァーーー!」と吼えたね。
 弄ばれたの、弄ばれたのよアタイのサスペンス好き心を!
 熟女っていうけど、洋モノの女優って元々老けて見えるから別に熟女って感じでもなかったし!

 畜生……今度レンタル屋で面白そうなの探すときはレンタホの儀式で探すことにします。(レンタ繋がり)


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2010年9月 6日

ミステリアス・サマー

パッケージ


保険会社に勤めるスコットは、妻のコリと共にハワイへ旅立った。
旅の目的は、会社の社長を接待し社内で確固たるポストを得ること。
旅行先でも仕事漬けのスコットに、セクシーな水着姿で迫るコリだったが、
そんな彼女を置き去りにしてスコットは部屋を出る。

しかし彼が向かったのは社長の所ではなく、会社の財務担当であるクリスティーナの部屋だった。
スコットは、営業部長のポストに就いた後に、クリスティーナと共謀して会社の資産を横領しようと
企んでいたのだ。そして禁断の関係に燃え上がる2人。
その頃コリは、ビーチでうっぷんを晴らすかのように若い男と身体を重ねる。
そして翌日に発見されたスコットの死体。愛に溺れた女たちの行く末とは。


『トロピカル殺人事件』を出したメーカーが送る「真夏のロマン」シリーズ第3弾……らしい。
 第1弾が何だったのか気になるけど、この2作を見る限り別に探さなくていいと思う。

『トロピカル殺人事件』よりも更にサスペンス色は消え失せてるし、もはやミステリアスなことなど何一つない。『トロピカル殺人事件』は一応、開幕に死体を見せて視聴者を引き付ける努力はしていたのだが、本作はいつまで経っても誰も死なないので焦った。「レンタル屋の手違いで、俺もしかして違う映画借りたんじゃ?」と錯覚するほどの完全エロ。

 だいたい微エロ映画って、エロ→サスペンス→日常→エロくらいのローテーションでエロシーンがまわってくるものだけど、この映画はエロ→エロ→エロ→エロ。観てるこっちが「マジで?」と半笑いで発声しちゃうほどエロ連戦で、いくらなんでも胃もたれ寸前。RPGで全然セーブポイント用意されてない感じ。

「そろそろ観るのやめようかな……」と思い始めた頃に物語が動き出し、エロシーンの合間に挟まれていた微妙な伏線が効果を発揮するのだが、「してやられた!」というよりも「視聴者がいい加減エロ疲れしてきた頃にあったアレが伏線のつもりかよ!」という半ば怒りのようなものが先に来る。

 なぜスコットは死んだのか……というのももうここに書いちゃっても全然問題ないんじゃないかなというくらい、どうでもいい過程と結果なので、今作もエロシーンだけお楽しみ下さい!

 しかし日本人から見る海外の女性って大概老けて見えるものだけど、クリスティーナ役の人はホント可愛かった。エロ可愛い。ガンガン誘ってくるし。性欲底なし。スコットが部屋に戻ったらクリスティーナがベッドの上で黒ハイヒール&下着待機してて「Do me……(して……)」。

 そこはスコットと妻のコリの部屋なので「妻が戻ってきて、見られたらどうするんだ。やめろ」とスコット。「いいじゃない、見せれば……あなたと奥さんのベッドで私をレイプして」「やめろ」「それでも男なの?」「やめるんだ」「悪人の法人営業部長さんも、自分の奥さんは怖いのね」

 挑発されても気丈に断り続けるスコット。少々苛立っている様子。
 ここまでに妻ともヤッてるから疲れてそうだし、クリスティーナも節操ないのでここはビシッと言うべきだろう。

「ファックミープッシー!」
「いい加減にしろ!」

 怒ったスコットはクリスティーナをベッドに突き倒して……えー!? 濃厚なキスに入ったー! やるんかーい!

 このやり取りでのスコットの表情の険しさは結構なものだったので、横領計画仲間だけど、いい加減エロすぎてウザいから突き倒したらベッドの角に頭を強打して不本意ながら殺してしまう……という事件なのか……!? とドキドキして見てたので、このシーンが一番笑った。エロ→エロ→エロ→エロで来て、ようやく口論シーンと来れば、殺人のひとつでも起こると思うじゃん? そしたらまたエロだったという、このやり場のない何か。もう西田敏行みたいな笑顔で頷きながらエロシーン堪能するしかないじゃん?

 その後の2人と言ったら、まあスコットの行為もやむなしといった感じのパワーエロス全開で、クリスティーナ先生の淫獣ぶりが本作の見所です。ミステリアスは忘れろ。

 しかし、妻のコリが漁夫の利で得しすぎてて、どうも腑に落ちない。
 稼ぎがスゴい夫を持ち、何不自由なく過ごしながらも日常に退屈さを感じていて「このまま家事をやって歳をとっていくのかしら……」と思っている人物で、このクソ不況で贅沢な……というか今の状況を与えてくれている夫に対して、お前は夫に何か相応のことをしてやってるのかよという怒りすら沸いてくる。

 その夫が久しぶりの旅行先(一応、スコットの仕事での旅行である)でも構ってくれなくて、ムカついたからビーチに居た若い男とイチャイチャしてたら、夫が殺されて多額の保険金が転がり込んできたので、若い男と大金をダブルゲットして楽しく暮らしました、っていう話だからねコレ。
 なんだこのムカつくハッピーエンド。

 不倫して、なおかつ会社の金を横領しようと画策してた主人公が報いを受けるのは分かるけど、リスクに足を突っ込んで現状より更にステップアップしようという野心のあったスコットのほうが好感持てる。せめて真犯人はコリでしたー! くらいのどんでん返しがないと、視聴者的に納得いかねー!

 なお、第4弾の『ビキニ航空』が一層アホっぽくて面白そうなので探してみたい(懲りてない)。

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2010年6月16日

トロピカル殺人事件

パッケージ


常夏の島、マウイ。
灼熱の太陽が照りつける海辺で、裸の女性の死体が発見される。
年齢は20歳前後。首には赤いスカーフ。
そして露になった胸には、「X」と刻まれたロウソクの跡……。
捜査にあたったアレックスは、発見者に聞き込みをはじめる。
しかし、その発見者はアレックスの過去を知る女マーガレットだった…。


 B級間違いなしのタイトルに惹かれてレンタル。

 殺人事件の捜査の途中、事情聴取のついでに事件関係者と片っ端から寝ていくような島耕作的なものを想像していたのだが、なんとエロシーン9割、事件1割という、悪い意味で予想外の作り。もう、エロシーンのついでに捜査してる感じ。ビッグワンガムかっつーの。

 殺人事件を扱ったサスペンスの面白さというのは、徐々に犯人像が明らかになっていくスリルと、最後でそれが収束するカタルシスにあると思うのだが、作ってる途中でストーリー考えるの面倒くさくなったんじゃないかと思うほどに、サスペンスであることを完全放棄してエロに走っている。しかも、事件の部分だけを切り取ったら15分くらいで終わる内容だし、冒頭で明かされる手がかりが決定的すぎて、推理ものに慣れてない人でも視聴開始10分しないうちに犯人が分かるレベル。

 途中、あまりにもエロシーンが長すぎて「あれ? 誰が殺されたんだっけ? まあいいか。乳拝みまくれるし……」ってカンジになってきて、欲求不満状態で見る夢みたいなのが延々垂れ流される。一応、終盤で夢から覚ましてはくれるが、むしろこんな結末なら、あのままずっと続けてフェードアウトしてスタッフロールに入ったほうが「あれ? そういえば殺人事件は?」ってことになって面白かったんじゃないかと思う。

「とにかく事件とかどうでもいいから、5分おきにオッパイ見たい」という人にオススメ。
 ちなみに本作のトロピカル要素は、金持ちのイケメンがヤシの葉っぱを女の身体に這わせて感じさせるシーンくらいなので、舞台が常夏の島である必要性とタイトル名にも疑問。往年のファミ通クロスレビューならTACOXがキレて2点とかつけるレベル。2点は、オッパイ分。

 ボロクソにけなされて当然の作品なんだけど、俺の感想は
「思ってたより、いっぱいオッパイ見れたな……。」

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2010年2月 3日

ダ・ヴィンチ・トレジャー

パッケージ

 レオナルド・ダ・ヴィンチが秘密を隠していたのは、モナリザの微笑みの中だけではなかった。
 彼が製作したといわれる「トリノの聖骸布」には、ダビデ王の秘宝のありかが隠されていた。
 その秘密を知った人間がどんどん殺されてゆく中、
 主人公のマイケルは同僚であり恋人のジュリアと共に旅に出る。
 彼はライバルよりも先に宝を手にすることができるのか……。
(allcinema.netの紹介文より抜粋)

「無名タイトルで、面白そうだなと思って借りた映画は100%つまらない」という無駄な特技を持つ俺が、ダ・ヴィンチコードの人気に便乗したとしか思えないパッケージを見て「コイツは駄作以下のニオイがプンプンするぜェーッ」と借りてみたら、案の定というか、駄作という言葉すらもったいないほどの駄作だったという話。

 こういう宝探しモノはストーリーが命だと思うのだが、何もかもが行き当たりばったりで、「これ、映画撮りながらストーリー考えたんじゃねーの」というレベル。序盤から中盤にかけては、

 主人公が書物を発見→ライバルの博士が現れて奪われる。
 主人公が聖骸布を発見→ライバルの博士が現れて奪われる。

こんなんばっかりで、「奪われたと思いきや、主人公はニセモノとすりかえておいたのだ」みたいな「主人公、やるじゃん!」的な仕掛けがひとつもない。普通に奪われる。バトルシーンもカーチェイスシーンも銃撃戦も総じて退屈でお粗末極まりない。オチのない4コマを延々見せられてる感じ。多分、眠くなって寝てしまう人がほとんどだと思う。

 そして終盤が、とにかくひどい。
 ついにライバルの博士を出し抜いて、宝の在り処と思われる洞窟の入口を発見するのだが、内部にある仕掛けの解除シーンで、壁に書かれた「太陽と月を囲む三角形」を見て、

主人公「そうか、分かったぞ……モナリザだ」
相棒の女性「どうして?
主人公「モナリザには相反する要素が描かれているんだ。太陽と月のような」

そ、それは苦しいだろー。
無理矢理ダ・ヴィンチに繋げたいだけだろー。

相棒の女性「三角形は?」
主人公「絵の構図さ。ピタゴラスの三平方の定理だ」

ここでモナリザの絵が出て解説が入るのだが、ぶっちゃけこの理論、長方形の絵だったら何でもいいと思う。

主人公「三角形の辺の比は3:4:5になっている。つまり……」

パスワードは「345」と看破し、扉が開く。MMR並のトンデモ理論に「なんだってー」と言う暇もなく唖然としていると、扉の奥は黄金の財宝の山。「ついにやったぞ」と喜び合う主人公たち。しかしそこへ現れるライバル博士。

主人公「どうしてここが」
ライバル博士「ドアが開いてた

ですよねー。

 ライバル博士は「これは返してやる。もうそんなボロ切れに用はない」と序盤で主人公から奪った聖骸布を投げ返し、財宝の品定めに入る。しばらくして博士が、自分の相棒の女性に「2人を殺せ」と命じると、主人公は慌てて壁にあった罠のスイッチを押す。崩れ出す洞窟。天井から落ちてきたガレキで頭を強打して倒れるライバルチーム。しかし油がそこらじゅうに染み出し、火の手がまわってしまう。「まずい!」と咄嗟に聖骸布をまとう主人公たち。そして爆発。

 煙が晴れると洞窟は跡形もないほど崩れ去っていて、「いくらなんでもこれは全員即死だろう……」と思っていたら、聖骸布に身を包んだ2人はゲホゲホ言ってるだけで普通に生存。防火布の役割を果たしたとしても、それはないわ……。それとも何か、ジャパニーズ・ドリフのオマージュか?

 宝探しモノのお約束「財宝を目の前にしながら、宝は手に入らなかった」というオチで、主人公と相棒の女性が抱きしめ合って終了。

オーイ……そこはせめて、

相棒の女性「財宝、手に入らなかったわね」
主人公「ま、こんなもんだよな。でも俺はひとつだけ手に入れたぜ」
相棒の女性「えっ、持ち出せたの?」
主人公「俺にとっての宝は……ここに居るさ」

そしてキスシーン。……くらい、やれよ!
さらに、キスシーンの後に「さあ帰ろう」と歩き出す2人の背中を映して、相棒の女性のポケットから豪華なネックレスがハミ出してて女性が振り向いてペロッと舌を出すシーンでシメろよ! あーもう! あああーもう!

Amazonにひとつだけあったレビュー。

B級にもほどがある。これほど腹立たしい駄作も珍しい。キャストも音楽も脚本も救いようがない。こんなものを買ってしまったことを後悔するより、恥じている。買った人を恥じさせるほどの作品はほかにあるまい。

100円レンタルですら後悔してる俺なので同感。
唯一、このDVDに使い道があるとすれば……変に目が冴えて眠れない時に観ると、多分、眠れる。

そしてまさかのアフィリエイトリンク。
買うなよ! 絶対買うなよ!

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2009年1月17日

L change the world

パッケージ


 テレビで「L change the world」をやってたので、観てみることに。
 以前に観た実写版「デスノート」の2作は、原作の第1部とほぼ同じストーリーながらも、デスノートのルールに基づいた対抗策でLが勝つ(引き分け?)というもので、
 意外とよく出来ていたのだが……。

 ……久々にすごい駄作を見た。
 ゲームのレビューを書く時、プレイしてみて「ダメだった」と感じるものに対しても、なるべく良い点も探し、なおかつ「こうすれば良くなったのではないか」と自分なりの改善点も挙げることで、
「批判」ではなく「批評」を心がけているが、この映画は擁護できる点が何ひとつなかった。
 こんな作品も逆に珍しいので、観ていて思ったツッコミどころを書いておきたい。
 正直、これらを書くことにも読むことにも意味はない気がするけど、この駄作を忘れないためにッ! 書いておくッ!


・教授の娘の演技がひどい。
 最初の笑顔を見て「精神的にちょっとおかしい役なのかな?」と思ったら別にそうではなかった。

・外の警備員をナイフで刺して、抜いたナイフには血がついてたのに、研究所内の人間を刺した時、抜いたナイフに血がついてなかったのは何事?

・教授はなんでウイルス自分に打ったの?

・しかも、ウイルス打ってから大事なこと喋ってる気がするんだけど、呻く演技が強すぎて何を喋ってるのかサッパリわからない

・抗ウイルス薬を焼却した後、工藤夕貴が押した「CAUTION」て書いてあるスイッチで部屋に火花が飛び散ったのは何事? あれ何のスイッチ?

・Lが工藤夕貴に「地図を送ります」と言った後、工藤夕貴が怪しいことをLは見抜いているにも関わらず、自分の根城としている現在地を素直に教え、
 しかも何の対策を取らないまま工藤夕貴たちを迎え入れ、結果、危険になったので少年と教授の娘を連れてそこから逃げることに。
 少なくとも「デスノートのL」ならば別の場所を指示するだろうし、仮に自分の根城を素直に教えるなら、
 工藤夕貴たちが来た時に一気に捕縛できるように人を使って何らかの対策を立てておくはず。

・教授の娘は監視モニターで工藤夕貴を見て「危険」だと分かってるはずなのに、なんでわざわざ自分から部屋を出て工藤夕貴を睨みつけに行ってんの?
 ここに来てることは知られてないはずだから、隠れておけばいいのに。
 しかもなんでまた親父と同じようにウイルスを自分に打ってんの?

・工藤夕貴たちはサッサと教授の娘を人質に取ればいいのに、Lが登場してから教授の娘を連れて逃げるまで、全員でその様子を眺めてるのは何なの? バカなの?

・南原が登場するタイミングが不自然すぎる上、そもそもストーリー上、南原の役は不要としか思えない。
 あと、南原の喋り方が今にもコント始めそうにしか見えないので、デスノートの世界観やシリアスなストーリーに全くそぐわない。

・敵側の組織が教授の娘を捕まえるためにテレビに出演して「この少女は危険なウイルスに感染している」などと言うのは、小学生でも「それはない」と言うレベル。
 これだけ危険性が高い場合、混乱を防ぐため、テレビ局側で絶対報道規制するはず。
 あまりにもリアリティがなさすぎる。

・電車の中で教授の娘を目撃された時、ワンセグでニュースを見ていた男がウイルスに感染すると思って逃げたのはわかるが、周囲の人も一緒になって逃げたのは何事?
 普通なら、逃げた男を見て「なんだあいつは?」と視線を送る程度ではないだろうか。

・南原が囮になっている間のLたちの行動を映すシーンに無駄が多すぎる。
 というか全体的に無駄な描写が多く、手早くストーリーをまとめれば、30分で終わる内容の話。

・抗ウイルス薬を作るためには潤沢な資金を投じた施設と約5年の歳月が必要と言っていたのに、少年からヒントをもらっただけで一日もかからずに作れたのは何事?

・敵側の組織が旅客機をハイジャックした後、ハプニングだったにも関わらず手下が普通に旅客機の操作してるのは何事? すごい三下に見えたけど、操縦の知識あったの?

・通報しようとした乗客を捕まえて銃で殴って止めてるけど、銃なら撃てよ!
 ていうか教授の娘の寝てた担架みたいなものの下に銃隠してたけど、いくらなんでも飛行機に乗る前にチェックで引っかかるだろう。

・抗ウイルス薬を機長に渡して「みんなに打って下さい」とか言ってるけど、普通の機長は怖くて他人に注射なんか打てないと思う。
 貴方は打てますか? 俺は打てない。

・最後に旅客機を止める時、窓が少し割れただけでいきなりピタッと止まったが、徐々にスピードダウンしないと、あれだけの大きさのものが突然ピタッと止められるはずがない。

・組織は抗ウイルス薬がないと分かった時点でほかの手段考えるべきだろうに、教授の娘誘拐して何やってんの?
 あと特殊メイクまでした高嶋政伸は存在意義全くなかったよね?

・工藤夕貴とその手下が最後は「みんな死ぬのよ!」とか言ってたけど、お前らが教授の娘誘拐しようとしなければ何も起こらなかったよね?

・高嶋政伸は金が目的として、工藤夕貴は何がしたかったの?
 ウイルス広めて世界滅亡させたいなら、飛行機乗らずに、手始めに適当に東京の真ん中で少女連れて歩けばいいよね?
 飛行機乗ったせいで逆に範囲が限定されて、抗ウイルス薬打つ人少なくて助かってるよね?

・トドメに、この映画、L使う意味が全くないよね?


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2009年1月12日

ゲームと映画のカンケイ

 今更ですけど、「もってっけー」で有名なマクロスFの「射手座☆午後九時Don't be late」の歌詞をよく見てみると、アイドル八犬伝の主題歌並の意味不明さで戦慄しました。

 何億光年 大胆なキスで
 飛び越えろ ハラペコなの
 次のステージにいきましょう

って何なの? 腹減ったまま何処行くの? あと「乙女座生まれファッシネイト」って何なの? 射手座じゃないの? 死ぬの? そんなこと言いつつなんで俺何回も聴いてんの? 洗脳なの? 手遅れなの?

 話はサッパリ変わりますけど、ゲームの映画化ってあるじゃないですか。
ジャッキーチェン主演だったけど、夢に出てきそうなスピニングバードキックとかで大変残念な結果になってしまった『ストリートファイター』とか、美形忍者だったはずのハヤテが原型をとどめておらず、なぜか律儀にビーチバレーまで盛り込んでしまった『デッド オア アライブ』とか、元はダジャレの低価格ソフトだったのに、いつの間に出てたんだ感満載のVシネ寸前『お姉チャンバラ THE MOVIE』とか。最近では『悪魔城ドラキュラ』や『メタルギアソリッド』も映画化らしいですけど、長年のゲームファンであればあるほど、ゲームを映画化して名作になることは5億%ないと実感しておられるかと思われます。

 でも、これはちょっと観てみたくね?

 知人に教えてもらったんですけど、これはフルで観たい! ていうかこの予告編でもう十分な気もするけど!

 最近のゲームなら、『零』とか『戦国BASARA』とかは映画化しやすそうデスヨネ。まともに作ってもいいけど、『零』ならラスボス:片桐はいり、『戦国BASARA』は美形全部:Gackt、斬られる武将全部:柳沢慎吾くらいのショッキングキャストで。あとはPCエンジンの『カトちゃんケンちゃん』をリアル加藤茶と志村けんで……って、あれは笑顔で脱糞するからダメか。そうだ、宝塚歌劇団使って『エメラルドドラゴン』映画化してくれたら観てみたくね!? あ、ヤマンは柳沢慎吾で。

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2005年9月30日

FINAL FANTASY VII ADVENT CHILDREN


ff7ac_p.JPG


 古本屋にゲームやら本やらを売り捌いて悲しく小銭を得ていたところ、どこも絶賛売切中の『FF7 ADVENT CHILDREN』が「新作」の棚に並んでいるではありませんか。
 これは盲点だった。というわけで、せっかく得た小銭を消費して、買って参りました。

 FF7の続編という位置付けでありながら、ゲームではなく映像作品として作られた本作。
 なにしろFF映画で大失敗した前科があるだけに、発表当初は不安の色の方が濃かったものの、今こうして見終わってみると「SUGEEEEEEEEE」の一言。

cl2.JPG


 もちろん、まずは映像美。
 間違いなく日本最高峰のCG技術がここにあり、あのFF映画をも越えたクオリティ。
 単純に綺麗になっただけではなく、だいぶ「表情」が出るようになってきたので、キャラクターに、より人間味が増している。

 次に、アクション。
 ぶっちゃけ、9割くらいアクションシーンなのだが、こういう作りにしたのは正解。
 その分、ストーリーが薄いっちゃあ薄いが、あんまり気にならない。

 どうも全員、舞空術が使えるらしく、ちょっとしたドラゴンボール状態になっているのだが、元がゲームなだけに、「これもアリ」と思わせる説得力がある。
 リアルに作るよりは「観てて面白いものの方がいい」。ところどころ、ゲームで見た技が再現されてたりして、ファンはニヤリとする作り。

 最後に、全体の構成と結末。
 映像主義に走り始めてからは、どうも結末がよく分からなかったり、一筋縄では理解できないようなものになっていたが、
 これはFF7をプレイしてさえいれば単純明快。結末も、珍しくハッピーエンド。

 それに至るまでの構成も、ちゃんとキャラごとに見せ場があり、テンポを崩すことなく疾走感溢れる展開速度を維持しっぱなし。
 後半、例えるなら特撮ものの25分地点とでも言うのか、クラウドが最後に戦う敵は期待を裏切らない。


 過去のFF映画で最大の疑問点だった、「何故わざわざ全編CGで作るのか?」という点。
 莫大な制作費も話題になったが、俳優などを雇った方が遥かに安くつくはずで、
「面白い映画を作る」のではなく、「全編CGで映画を作りたい」という、
 典型的な「手段が目的になってしまった」ものだったため、観る者にイマイチ納得がいかない何かを残した。

 たしかにCGはリアルだったが、リアルは越えていない。
 越えていない以上、わざわざお金をかけてCGで作った意味は薄れていた。

 しかし、この『FF7 AC』は、あくまでFF7の続編なため、FF7のキャラクターがメインで出てくる。
 そう、「元がゲームのキャラ」なのだ。
 これを俳優などを使ってしまうと、それは「実写版FF7」。
 だからこれはCGで作る意味がある。

 長々と書いたが、「FF7をプレイした人ならば観て損は無い出来」。
 FF7をやったことがない、または全然知らない、という人にはオススメしない。
 そういう人がこの作品で得られるのは「映像美による驚き」だけだから。
 FF7をプレイしていれば、ストーリーも分かり、「ここでこのキャラが出てくるか!」みたいな事が体感でき、
「PS1の貧弱なポリゴンで描かれていたキャラが、ここまでリアルに蘇った!」という感動を味わえる。


tifa.JPG
ティファだけはソロでバトルシーン有り。やはり人気キャラだからか。
服装に色気が無くなったのは残念だが、相変わらず巨乳。


ren.JPG
より一層、人気が上がりそうなレノ。とにかく美形しか出てこない。
クラウドあたりはGacktが素で演じられそうな顔つき。


 気になったのは、制作期間と制作費。
 かなりの時間とお金がかかっているわけで、携わっている人間は年単位でこれにかかりっきりだったはず。
 ということは、こんなことはそうしょっちゅう出来ることではなく、以後こういった作品は出てこないんじゃないかな……という。
 そういう意味でも、稀有で貴重な作品になる気がする。

 で、何が言いたいかというと、これを作ったスタッフがコッソリ独立してテクモと提携し、18禁で「DOA ADVENT CHILD PLAY」を作ってくれないかと。
 大丈夫、お前ならできる。待ってるから……俺、待ってるから!


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2003年10月31日

「マトリックス レボリューションズ」を観てきました

 史上最大の「次回完結」を残して数ヶ月、ついに『マトリックス』シリーズ完結編のお目見えです。早速、友人と観に行って来たのですが、ストーリーに関しては、わざと分かりにくくしているような……何か誤魔化されているような……まあ、そんな感じでして……それはそうとやっぱり映像ですよ。もう、リアルドラゴンボール。いつネオが「あの女……? トリニティの事か……トリニティのことかーッ!!」って言い始めてもおかしくない、そんな雰囲気。

 ストーリーの結末に関しては本国の方でもあまり評判はよろしくないらしいのですが、映像技術の面においては、後に「マトリックス以降」と呼ばれることがあるんではないかなー、といった感じのインパクトを残した作品。あとリローデッドが変にエロかったのに対して、今回は控えめでしたな。

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2003年6月30日

『マトリックス リローデッド』レビュー

 5年前に颯爽と登場し、最新鋭のCG技術を駆使した派手なアクションで話題になった『マトリックス』の続編、『マトリックス リローデッド』の先行上映を観てきました。……5月31日に。最初は「正式上映前に結末を暴露しちゃうのもいかがなモンかニャ?」とか思って躊躇してたけど、これだけ空けば問題なかろうて! いくぜ!

 で。これだけは言わせてくれ! とりあえず今回の話は今回で一応完結させといて「もしかして続編を予定してるのかな?」って仄めかす作りならいいんですけど、まだ全然、話が終わってなくて謎が残りまくってる状態で最後に「次 回 完 結」は如何なものか! 反則だよ!

 ただ、映像に関しては恐ろしいほどのクオリティ。重力を無視したドラゴンボールばりの格闘シーンは一言で表すなら「サイバー・ジャッキーチェン」。まさに今の時代だからこそ実現した近未来アクション映画、みたいな。しかしストーリーの方は前作より遥かにややこしくなり、固有名詞もバリバリ出てきますんで、正直、置いてけぼり気味。常日頃『マトリックス』の世界観やストーリーについて熱いトークを交わしているファンならばまだしも、ちょっとした好奇心で観にきた人なんかは、多分、理解不可能。もちろん、前作を熟知していることが前提です。

 本作の見所は、全編に渡ってのアクション部分もそうですが、特に中盤のカーチェイスシーン。「一体どうやって撮ったんだよ」と唸らせるカメラワークの連発で、そんじょそこらのアクション映画じゃ全く太刀打ちできません。話によると、このシーンの舞台となった高速道路そのものから作ったらしく、一体いくらかかったのか考えたくない仕様となっております。

 とにかく前作以上にアクション部分に重きを置いた本作。ストーリーは未完のため評価のしようがありませんが、映像は一見の価値あり。……って、これってなんかに似てるなー、と思ってたら、最近の「映像重視のRPG」でした。よく見られる、「映像はスゴいんだけど、ゲーム性は?」というのがまさに当てはまり、個人的に「この風潮、マズいよな……」と思ってるんですが、ついに映画まで……。今にゲームでも、クライマックスで「次 回 完 結」とかやり出すのでは……と心配してたら、もうありました。PS2『THE 推理』とか。

 あ、あと今回のマトリックス、なんか無駄にエロかったです。観た人しか分からないけど、あのケーキとか。洞窟での宴は、途中から乱交パーティ? て感じで、ネオとトリニティはエレベーターのドアが閉まった瞬間にディープキス三昧という、どこのVシネマだよ的な微妙なエロ展開。何ヶ月か経ってテレビで放映されたとしても、親と子は一緒に観ない方がいいですよ!

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2002年9月29日

劇場版『仮面ライダー龍騎』レビュー

 劇場版『仮面ライダー龍騎』を観に行って来ました。いや俺、友人宅で偶然、第1話を見たことがあるだけで、それ以降、全く知らないんですけど。なんか弟が観に行くと。行ってらっしゃいと。映画館の場所が分からないと。教えると。遠いと。車で行ってくれと。まあ気付いたら俺も観ることになっていたわけですよ。

 全く知らない人のために俺が知っている範囲で適当に説明致しますと、『仮面ライダー龍騎』は伝統ある「仮面ライダー」シリーズの最新作。初期の頃の「バッタ改造人間」という設定はどこへやら、もはや受け継いでいるのは「変身!」のかけ声とポーズくらいのもの。最終的には合計13人の仮面ライダーが登場する予定らしく、発表時には話題になりました。また、出演者に若手のイケメンが多いため、子供向け番組ながらも、その母親なども巻き込んで大人気だそうです。詳しくはこちらの仮面ライダー龍騎オフィシャルサイトで。

 で、朝の10時から観に行ったわけですが、まず、人の少なさに驚愕。いくら夏休み明けで平日だからって これは無いんじゃないのってくらいで、その数、13人。仮面ライダーと同じ数ですね。始まったら少しは増えるかと思ったら、ついに最後に席を立つまでメンツ変わりませんでした。

 実は密かに二本立てで、『ハリケンジャー』も同時上映。こちらも『仮面ライダー龍騎』同様、ほとんど見たことがないんですが、こっちは戦隊モノの血を受け継いだ正統な後継作。中途半端に色っぽい女幹部、ポーズを決めると同時にバックで色つき爆破、25分地点で敵が巨大化、こちらも巨大ロボに搭乗、と相変わらずの基本フォーマット。しかし子供の頃は夢中で見たものですが、今見るとこんなに稚拙だったかしらと思うほど、大人が見ると恥ずかしくなってくる内容。劇場版なのに30分という時間のせいもあってか異様な展開の速さで、しかもツッコミどころ満載、というかツッコミどころの方が多い有り様で、笑いをかみ殺すのに必死。個人的に最高だったのが、異星人が持つペンダントの力により、主人公たちの巨大ロボを一つに合体するシーン。

異星人のヒロイン「このペンダントの力が、ロボたちを1つにするわ!」
ハリケンジャーたち「何ッ!? そんなことができるのか!」
リーダー「理屈は分からないが……いくぜ!!」

主人公にも分からない合体を始める巨大ロボ。どう見ても最初からそう設計されていたとしか思えない変形を経て、いくつかあったロボが、ひとまとめに。不利だった形勢を逆転し、とどめの必殺技を繰り出します。その際、初めて操作するはずの合体巨大ロボの必殺技名を寸分狂わず全員で叫びますが、もうどうでもいいや。

 さて『仮面ライダー龍騎』の方ですが。『ハリケンジャー』が完全に子供向けだったのに対し、こちらは大人が見ても充分に鑑賞に耐える出来。つくづく、テレビ版『龍騎』をちゃんと見とけば良かった、と思うほどでした。テレビ版の本筋をよく知らないのですが、複数の仮面ライダーたちは基本的に敵対する立場で、自分以外の他のライダーを倒し、最後の一人になった時、願いが叶うとかそういうことみたいで。戦う舞台が鏡の中の世界「ミラーワールド」というものなので、イメージとしては「仮面ライダー」+「バトル・ロワイアル」+「のび太と鉄人兵団」といった感じ。正直、観てて予想以上に引き込まれたんですが、結末がちょっとアレでして。テレビ版はまだ続くようで、この劇場版は、ゲームでいうなら「マルチエンディングの中の1つ」という位置づけらしいので、まあ……いいのかな。一言で言うと、打ち切りマンガのお手本のような結末でしたよ。

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2001年9月19日

『FINAL FANTASY The Movie』レビュー

 友人と、全編CGでウワサのFF映画「FINAL FANTASY The Movie」を観に、映画館へ。
 平日なので「マトリックス」の時みたいに座れないってことは無いだろう、とは思っていたものの、予想以上にガラ空き。
 その数、10人前後。あんな映画館、初めて見た。

 で、感想はと言うと、スクウェアお得意の「結末がちょっと……」タイプ。
 途中までは結構面白かったのだけど、なんか最後、説得力に欠けるというか。煮え切らない感じ。残尿感。

 カンタンにあらすじを説明すると……
 ちょっと未来の話で、「ファントム」という、目に見えない謎の生命体に怯えながら、バリアに囲まれた街で暮らす人々。
 主人公のロス=アキ博士とシド博士は、その「ファントム」を根本的に消し去る方法を研究中。

 しかし、反対派である、武力でファントムの巣をブッ叩く方法を執拗に勧める悪役もおり、アキ博士は反対派と戦いつつ、「ファントム駆除法」を完成に近づけていく……といった感じ。
 もっとカンタンに説明すると、「エイリアン」と「プレデター」を足して「エネミー・ゼロ」で割った感じ。

 印象に残った点を挙げると……
 まず1、「体格のいい黒人男性」「ムードメーカーの白人男性」「男まさりの女性」というSF映画のお約束メンバーをバッチリ押さえており、
 そのお約束ぶりは「ああ、こいつら、きっと後半で死ぬな」と確信させるほど。

 2、「主題歌はラルク=アン=シェル」ということでも話題になっているが、その歌が流れるのはエンディングスタッフロールの後半。
 スタッフロールが始まった瞬間に席を立った人もいたので、そういう人はラルクの歌がどこで流れたか分からないまま。ラルクを起用した意味が不明。

 3、タイトルが「FINAL FANTASY」である意味が100%ない。
 ゲームの方はもう「シリーズ物だし」ということで「どこがファイナルだ」なんてことは言っちゃダメ、みたいなことになっているが、
 初の映画で意味もなく「FINAL FANTASY」の名を使うのはどうかと。完全に、「FF」の持つネームバリューを利用したとしか思えないのがツラい。

 あと、全編CGという事がウリだが、別に全編CGである必要性はそんなに無いわけで。「全編CGでやってみたかっただけ」かな、と。
 実際、「マトリックス」のように「実写に、CGを使ったエフェクトを混ぜる」のが、現状での「映画」での正しいCGの使い方だと思う。
「CGで実写を目指す」ことに意味があるのかどうか。このあたりは賛否両論だろう。

 でも逆に考えて、全編CGで作ることは至極大変なわけで、そういう意味では凄かった。途中、CGである事を完全に忘れてたし。
 でもやっぱりCGを使う意味、というか、あくまで実際の人間に近づけようとして描かれているCGなわけで、それなら実写でいいじゃんという気が、どうしても、してしまったり。
 まあでもそんなこと言うのは「『親指タイタニック』は、なんで親指である必要があったのか」って言ってるようなものだし、
 ここは素直に「とにかく全編CGで映画が作りたかったんだ」ということにしておこう。
 でも会社の経営がピンチになるほど予算注ぎ込んでまで作るものじゃないと思う。

 結論。
 是非、一週間レンタルになってから観て下さい。


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2000年7月16日

親指タイタニック

パッケージ


 結論から言うとスッゲェ駄作。
 低予算のパロディ映画で、そのくだらなさで笑わせるのが目的と分かってはいるけど、これで金取んの?

 作品のデキを一言で言うなら、「ちょっとマセた小学生のグループがクラスのみんなを笑わせようと微妙にCG技術を使った夏休みの自由研究」。
 基本的なストーリーはタイタニックをなぞったもので、大した変更点はナシ。すごいダイジェストで進行するけど。

 問題は、合間合間に入るギャグ。
 いや、もはやギャグと言えるのかどうかも怪しいんだけど、とにかく各ネタの品のなさ、そしてセンスのなさが天下一品。
 別にパロディものが嫌いというわけじゃなく、むしろ結構好きな方で、しかも『タイタニック』は見てるんで、どのシーンのパロディをやってるかは全部わかってる。
 あと、大の『タイタニック』ファンで「下品なパロディが許せない!」というわけでもない。
 そこまで踏まえた上で、これはひどい。

 まず、パロディ自体が面白くない。いきなり致命的。
 なんというか、笑うシーンがあるとすれば、そのあまりのデキの悪さに「これ、世に出していいの?」っていう意味の苦笑い。
 小学生の自由研究と言ったのはこの部分で、ノリが笑えない上に下品の度合いがまた小学生レベル。
 大の大人が作ったとは思えない。

 次に、親指である必要がない。また致命的。
 これは全編のキャラを実際の指で表現するということを完全に実行していればまだ意味があるように思うが、要所要所で指を模した人形を使って撮影している。本末転倒すぎる。
 人形使うんなら、全部人形でやるべきだろう……。

 最後に、スタッフはこれでも本気。
 一応DVDなんで、メイキングシーンとか監督による作品解説とかついてるんだけど、メイキングシーンではスタッフがもう全員いい大人で、こんな映画撮るとは思えない人たちばかり。
 撮影しながらスタッフみんなで爆笑してるシーンなんかもあったが、全然笑えるシーンじゃないし。
 そして監督の作品解説では監督自身が「僕は親指に育てられたようなものでね」と、ちょっと電波系。
 あと、とどめはセリーヌ・ディオンの例のテーマソングなんだけど、なんつーか、あれはセリーヌ・ディオン本人が見たら多分泣くと思う。

 とりあえず今一番気になるのは、監督が語った次回作の構想の中に『親指マトリックス』があったこと。
 メチャクチャ見てぇ。


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2000年6月11日

梟の城


パッケージ


 司馬遼太郎原作の同名忍者小説の映画化。
 ひとことで言うと地味。これに尽きる。

 多分こういう展開だろうなという展開。
 適度なエロス。
「ああ、なるべくしてなったなぁ」という結末。
 ところどころ思わせぶりな演技があったかと思うと実は別になんでもなかったり。
 起承転結で言うなら、起承承承承承承結。
 おまけのスペシャルディスクも、わざわざ2枚組にするほどではない内容。

 元々の原作からしてそうだったのかもしれないけど、スペシャルディスクに登場していたアドバイザーが現実的に「忍者」というものを分析して、
 この映画の忍者を「とことん地味な忍者」にしてしまったのも一因かと。
「煙玉投げて、煙が晴れたら奴がもういない」とか「変わり身の術」とか、「影分身の術」とか、
 そんなの全然使わんわけですよ。かろうじて吹き矢は使うけど。ほとんどただの暗殺者。

 実際の忍者はそんなものだったのかもしれないし、リアルさを追求するとああいう風になるのはわかるんだけれど、それを「映画」というエンターテイメントとして見ると、面白くはない。普通すぎる。
「今の中井貴一の視線の配り方、見た? たまらんよね。巻き戻してもう一回見よう」とかいうリアルな忍者マニアな方には楽しめるかもしれん。

 時代劇『三匹が斬る!』とかも、微妙に現代のスパイスが入ってたりして「オイオイ、この時代にこんなこと起こるわけないじゃん」みたいなとこがあるからこそ面白いわけで。
 銭形平次も、「あんなに小銭が上手く敵に当たるわけないじゃん」とか、遠山の金さんも「いくらなんでも金さん素顔なんだからさすがにバレるって」とかツッコミどころはある。
 でも逆にそういう部分を完璧になくしてリアルにしてしまうのが良いかと言うと、そうでもない。
 どうせなら忍者を思いっきりヒーロー職扱いにして、物理的に不可能な術とかどんどん使って、面白おかしく幕府転覆してほしかった。
 そうなると今度は司馬遼太郎サイドから文句が出るんだろうけど。

 あと、本編と同じ内容なんだけど全編ギャグっぽい『梟の城』をスペシャルディスクとしてつけて欲しかった。
 主演が中井貴一ということで、全編に渡って斬られるザコ敵が全員DCカードを手に持って倒れていくとか。
 手裏剣が全部DCカードとか。
 全員カメラ目線とか。
 むしろ衛兵が全員カッパとタヌキとか。
 貴一が峠の茶屋に入って、ダンゴか何かを頼んだのかと思ったら、茶屋の娘が持ってきたのはミキプルーンとか。
 その支払いはもちろんDCカードだったりとか。


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